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X-TEAの紹介

無料で提供されている業務システムの設計ツールです。
作者のサイトでは、以下のように紹介されています。
「業務システムに特化したOSSエンジニアリングツール。業務フロー、ER図、業務マニュアル等、さまざまな図を作成できます。」

経緯

上流工程を支援するツールで何か良いものが探していたところ、このツールを見つけました。

ずいぶん昔(2006年ころ)、このツール(当時は XEADという名前でした。)を見つけ、業務フローを書いてみましたが、ER図の表記が好きになれず、その後、利用していませんでした。

最近、業務スキルアップセミナーに参加したところ、講師の方が X-TEAの作者であり、新潟出身の方でした。

好きになれなかったER図の表記も、講師の方の説明を聞いて納得し、改めて、このツールを使って見ることにしました。

DOAの考え方を取り入れているツールだと思います。
設計作業においても抽象化がされているので、機能名の変更やデータ構造の変更など、一か所を修正すれば、全てに反映されます。
設計途中でよくある、「機能名が変わったので、全ての設計書に反映させる」や「住所の桁数を20桁から30桁に変更したので、テーブル設計で住所に関わるものを全て修正する」などの後戻りから解放されます。

ツールにはヘルプがついています。 記載もわかりやすいですし、チュートリアルもありますので、簡単に紹介だけさせていただきます

概要

画面イメージ

以下のような画面になります。

使ってみる

手順

チュートリアルでは、以下のような手順が紹介されています。
・「業務定義」と「業務フロー」を登録する
・「テーブル定義」と「データモデル」を登録する
・「機能定義」と「機能階層ビュー」を登録する
・「業務定義」の「プロトコル」を編集する
・定義要素間のクロスレファレンスを確認する

考え方

業務フローを書くところで特徴を説明してみたいと思います。
このシステムの業務フローは、DFDに似ています。
通常のDFD(データフロー図)では、プロセス、データストア、外部実体があり、それらを結ぶデータフローから構成されます。

X-TEAの業務フローも近いものがあります。

プロセスに該当するものあが、「担当業務」になります。

図のように、役割(受注担当者)を定義して、その下に担当業務(受注受付や出荷指示)を作成します。(細かい手順は、チュートリアル参照)

担当業務を定義した後は、業務フローを作成します。

「データストアや外部実態に該当するノード」や「プロセスに該当する担当業務」を配置し、データフローで結んで図を完成させます。

担当業務はドラッグアンドドロップで業務フロー上に配置します、ノードは右クリックで追加します。
なれると簡単に書けます。 担当業務の名前が変わった場合、もとの担当業務の名称を修正すれば、業務フローにも反映されます。

システム化範囲を明確にしたり、システムの全体像を把握するために業務フロー図を残しておくことは重要だと思います。
特に規模が大きなシステムでは、全体像を見渡すために必須だと思います。
業務フローがないシステムや、業務フローがメンテナンスされていないシステムなどで、まずは書いてみるのも良いと思います。

実際に、引き継ぎを受ける際、全体像が分からず、ヒアリングしながら業務フローをまとめたことがあります。
その後、関係者に再度説明する場合においても、ホワイトボードに書いて説明するなどの手間がなくなります。

余談ですが、スライドショーとして再生もできます。(各オブジェクトに実行順序を指定して再生ができます。)

まとめ

EXCELやWordで設計を進めると、修正に多くの時間を割く必要が出てきます。
これらの問題から解放される一つの手段として検討してみる価値があります。

なお、X-TEAで設計した内容はEXCELへ出力することもできるため、「成果物の納品としてEXCELが必要」などの場合にも対応できそうです。

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